「『がん』について学ぼう」1月25日

「身近な人が『がん』になったときに自分のできることを考えよう」

順天堂大学の樋野興夫先生をお迎えし、6年生の子どもたちが『がん』について学びます。

子どもたちは事前学習として、『がん』とはどういう病気なのか正しく知り、予防するためにはどうすればよいかまとめていました。
大切なのは、早期発見と予防。



樋野先生から、まず、『がん』についてのお話がありました。

正常細胞とがん細胞の診断はなんと30秒でするそうです。これにはみんなびっくり。

日本で一番かかっている『がん』は、大腸がん。でも、男性は前立腺がん、女性は乳がんと、性別によって違いがあります。
しかし、死亡率が一番高いのは肺がんなんだそうです。「禁煙をすれば3割がん患者が減りますよ」と先生。


『がん』にかかった人と向き合うために必要なことは二つ。

・手をさしのべ、よりそうこと
・会話ではなく、対話をすること
「会話は人を傷つけることがあるけれど、対話は心と心を通わせてするもの。」
「30分間同じ部屋で過ごしていても苦痛にならない関係を築くことが大切です。」
「同情や哀れみは苦痛になってしまう。バカになって、一生懸命生きる人になることで、周りをなぐさめることができ、相手のことを大切に思っていることが伝わります」

相手の心を和ませるためにはどういう顔をしているのかが重要だそうです。そのための一番良い方法は・・・

チャウチャウ犬になること。

誰もがにっこり頬笑んでしまうような、愛らしさを持つことで、病気になり辛い思いをしている人の心を穏やかにできるはず。

ここで、これまで伺ったお話や、事前学習で疑問に思ったことを子どもたちから樋野先生へ質問タイム!

「なぜタバコを吸うとがんになりやすいのですか?」
タバコの煙の中にある発がん性物質が体内に入ることでがん細胞ができます。

「昔はこんなにがんとか言われなかったのに、なぜ今は言われているのですか?」
100年前の平均寿命は40歳代。長生きするようになったことで、がんが発生することも多くなり、増加しているように見えてしまいます。80歳を超えると、二人に一人はがんにかかり、三人に一人は認知症にかかる、といわれます。

身近な人が『がん』にかかったら、どんなことができるのか、どうやって向き合っていくことが大切か、子どもたちも発表しました。
・不安な気持ちをなくしてあげる
・自分の気持ちを明るくして、相手も明るくなるようにしてあげる
・落ち込んでいる人に同情するのではなく、落ち着く空間を作ってあげる
・チャウチャウ犬になる

頑張らず、ありのままで接していくこと。その人の存在そのものが一番大切なものなので、一緒に考え、寄り添ってあげられるようになることが大切、とお話しいただきました。

最後に、貴重なお話をしていただいた樋野先生に大きな声で「ありがとうございました!」とご挨拶。

「怖い病気」と思っていた『がん』について考えていくことで、子どもたちも『がん』に対する心構えを学ぶことができたのではないでしょうか?

 

 

(写真は関係者の承諾を得て掲載しております)