9月21日、第二小学校6年生全員が順天堂大学樋野興夫医学部教授から“がん”について学びました。
今日は学校公開日で、多くの保護者も集まりました。
くるくるチャンネルは、2019年1月に神宝小学校での樋野先生による「『がん』について学ぼう」という授業を取材しました。
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今回、二小で行われた「『がん』を学ぶことは、こころを学ぶこと、生き方を学ぶこと」を取材させていただきました。
先生が最も尊敬されている一人、日本を代表するがん病理学者である故「吉田富三」氏の話から始まりました。
“がん“をどのように考えるかは、人生観ひいてはみなさんの日常の行為や行動にも時として影響する大切なことなのです。
つまりは「がん教育」は知識というよりも哲学といえるのです”
最初からちょっと難しそう・・・。
でも、よくある「がん」の話じゃなさそう。それだけにみんなどのように話の展開があるのか期待感も・・・。
つぎは知識としての「がん」のこと。
がんは今や二人に一人がかかる病気、大半の人は「がん」患者で天寿全うする時代なのだそうです。
「昔はこんなにがんとか言われなかったのに、なぜ今は言われているの?」と思うけど。
100年前の平均寿命は40歳代。長生きするようになったことで、がんが発生することも多くなり、増加しているように見えてしまいます。長生きするとがんは避けられないことなのです。
しかし死亡率が一番高いのは肺がん。
禁煙すれば3割のがん患者が減ります。予防できないものでもないのです。
『がん』にかかった人と向き合うために必要なことは二つ。
・手をさしのべ、いっしょにいることが大切
30分一緒にいても苦痛にならない関係をつくること
たとえ何もしゃべらなくても一緒にいてあげるだけで、困っている人のこころも和らいできます
・会話ではなく、対話をすること
会話は人を傷つけることがあるけれど、対話は心と心を通わせてするもの。同情や哀れみは苦痛になってしまいます。
それと自分の気持ちばかり伝えないことです。
一生懸命生きる人になることで、周りをなぐさめることができ、相手のことを大切に思っていることが伝わります、
歯をくいしばって人をほめる人間になってください。
それがお互い心豊かにしてくれますよ!!
人間はみんな存在自体が貴重なんです、みんなステキなんです。
そこで
わかりやすく誰でも出来ることは「チャウチャウ犬」になること!!
チャウチャウ犬に怒るひといないよね。
「日ごろからトレ-ニングしてね!」
みんなこれらのことは、すべて生活するなかで大切だということわかってきたようです。保護者の皆さんも含めて、場の雰囲気もずいぶんと和らいできました。
そういえば樋野先生の表情は「チャウチャウ犬」のように見えてきませんか!?ステキですね。先生は、がん細胞研究の病理医ですが、「哲学者」でもありますね。
先生は「楕円形のこころ」で「がんの存在を受け入れましょう。病気やトラブルが全くない人生はありません。完璧でなくていい。楕円形のように少々いびつでいいんです」
自分という唯一の中心を持つ円でなく、がんというもうひとつの「中心」と共存する「楕円」を思い描こう…と。
6年生担任の青木・鬼木先生は、今日の樋野先生のお話をまとめてくれました。
きょうの「がん教育」で
「私たちはこんな人になる!」をまとめとして決意表明する時間となりました。
「私たちはこんな人になりたい」ではないよ!!先生の声が響きます。
ガン教育~私たちの宣言~
※ガン教育終了後、児童が自分の生き方について考え、宣言しました。
誰にでも共感できるような人になります。
困っている人を助けてあげられる人になります。
歯を食いしばってほめられる人間になる!
困っている人を支えられるような人になる!
人といっしょに困ってあげられる人になります。
人を支えて助けられる人間になります。
病気の人とか関係なしに 心豊かに接する人になる。
僕たち私たちは、誰にでも手をさしのべられる人になります。
私たちは、いろいろな人に寄り添い、常に努力をし、目標にねばり強く向かっていきます。
私たちは、誰にでも同じ態度をする人になります。
私たちは、人に寄り添える優しい人間になります。
私たちは、人に優しく相談に乗れる人になります。
他人に寄り添える人になります。
授業後に樋野先生から次のコメントをいただきました。
「子供達には少し難しいのではないかなあと 思いながら話していましたが、最後、子供達の宣言を聞くと、ああ、ちゃんと子供達の心には大事なところは伝わるんだなあと、思いました。」
そして「第二小モデル/東久留米モデルになるといいですね」とも。
(写真は関係者の了解を得て掲載しています)