見えた地域の課題と備え!・・・・・・・・【男女共同参画週間特別講演】(一人ひとりを大切にする防災への備え~熊本地震から見えてきたこと~) ・・・・・・・ 2016年7月10日

  73()、市民プラザホールで開催された男女共同参画週間特別講演「一人ひとりを大切にする防災への備え~熊本地震から見えてきたこと」を聴講する機会を得ました。

冒頭、生活文化課の瀬沼 係長から、講師の潮谷 義子氏は大阪府 大田房江知事に続き全国2番目の女性知事として熊本県知事に就任され、28年に渡り(20002008)熊本県民の先頭に立ってこられ、現在は清瀬市にある学校法人 日本社会事業大学理事長の職に就かれているとの紹介がありました。

1 チラシ

   熊本地震(2016.4.14)以降、防災への備え・防災対策・避難所運営などで阪神淡路大震災(1995.1.17)、東日本大震災(2011.3.11)とは異なる多くの課題が見えてきて、報道等で避難所のあり方等の再考も促しています。

一方、政府の地震調査委員会は今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率分布を示した2016年版「全国地震動予測地図」を公表(610)しました。47都道府県庁舎所在地周辺で、千葉85%、横浜81%、さいたま55%、東京47%と高確率となり「確率が0%の地域はなく、どこでも大地震が起こる恐れがある」と、地域住民に早急な備え・対策を講じるように促しています。

  今回の講演は、まさしく的を得たタイムリーな企画でした。講師も熊本県知事を28(20002008)勤められ実際に熊本地震を経験され自らも避難生活を余儀なくされた潮谷先生が、前県知事として気づき見えた課題、女性避難者の立場から見えた課題、社会福祉事業に携わる立場から見えた課題等を大所高所から話して頂きました。

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  氷川台自治会から4人参加して聴講しました。高齢化率33(平成23年は37)の自治会では平成23年度から“安心・安全で暮らしやすいまち「氷川台」、元気で明るい活力ある自治会をみんなでつくろう‼”のスローガンを掲げて、地域の協働意識の向上策、安心・安全対策、高齢者対策、活性化対策、住環境の改善対策、要援護者対策、ボランティア活動の推進等の課題解決のため様々な活動を継続してきました。幸い会員の理解と協力を得て活動も活発化し地域コミュニティの構築が出来上がってきました。

 特に安心・安全で暮らしやすいまちづくりでは、平成23年に自主防災会を設立し住居エリアの防災資機材の備えの充実に取組み、平成24年から東日本大震災被災者支援活動を通した防災意識の向上を図り、平成25年から要援護者対策の取り組みを開始しました。氷川台自治会の要因(地域性・地質・住人構成・住居形態等)を考慮した防災対策を策定し、氷川台モデルの避難計画に基づいて要援護者支援避難訓練を開始しました。昨年度は第3回要援護者支援避難訓練を実施し実に200名強の会員が参加しています。平成24年に、東久留米市災害時要援護者避難支援計画が策定されているようですが、マニュアルの展開がなされないままの「公助」に頼る訳にはいきません。

 自分の身体は自分で守るのが基本としながら、会員同士の「支え合い・助け合い」で災害に強いまちづくりに取組んでいます。現在では、災害時支援協定をライフパートナーこぶし・聖グレゴリオの家と締結、災害時要援護者登録者82名、災害時支援隊員登録者56名など“地域住民を災害から守るのは地域の力”と位置付け地域コミュニティを構築しています。

 4   要援護者支援隊員

 潮谷先生の講演でも、地域住民が共通認識をもって地域づくり、まちづくりに励み、地域コミュニティを構築することが災害に強いまちになる近道、避難所は地域社会が凝縮した環境が形成されるべきで、顔も知らない人たちが大勢し寄せた時の問題点や要援護者の居場所確保について懸念されると共に地域住民の「支え合い・助け合い」による在宅避難の重要性を語られました。

  今回、素晴らしい講演を企画されたのが「男女平等推進センター(愛称:フィフティ・フィフティ、市民部生活文化課男女共同参画係)」と知り驚きました。常識で考えれば環境安全部防災防犯課の領域ではないのかと…。講演の中で潮谷先生が県知事時代に経験した女性職員派遣に伴う出来事をユーモアを交えて「フィフティ・フィフティ」に触れられました。組織遂行には特定領域にとらわれない「T型人材」が最も必要とも語られました。正しく今回「一人ひとりを大切にする防災への備え」特別講演を企画した男女共同参画係は「T型人材」の宝庫と推測できます。専門知識と経験をもとに防災のジャンルにも挑戦された訳ですから。「I型人材」では与えられた領域の職務はこなせるが、それ以外の多様なジャンルに目を向けません。

  これまでは、男女平等推進センター「フィフティ・フィフティ」…名称で判断して参加することはありませんでしたが、今回の企画で幅広い知見を併せもつ組織と認識を新たにしました。今後は、男女平等推進センターの企画に注目したいと思います。皆さんも知見の中に「フィフティ・フィフティ」の1ページを加えられたらどうでしょうか。

                                                   氷川台自治会 殿田 俊三