7月10日(日)13:30~氷川台自治会「春の防災訓練」を災害時支援協定を締結している「聖グレゴリオの家」で開催しました。昨年までは氷川台会館と小山台遊園を利用して消火訓練・AED心肺蘇生訓練等を実施していましたが、今年度から“災害に遭遇した時の心構え、自宅での備え、取るべき行動”に的を絞った訓練にステップアップしました。氷川台自治会会員の地域避難場所として機能する「聖グレゴリオの家」で実施しました。施設を知り、雰囲気に慣れておくことは災害時にとても大事なことと思います。当日は、朝から強い日差しの猛暑日となりましたが、災害に真剣に取り組もうとする120名弱の会員参加と社会福祉協議会、近隣自治会、消防署合わせて140名弱が氷川台自治会の防災訓練に参加され、氷川台防災モデルを体験されました。
猛暑日でしたが木陰が涼しさを感じさせます。
奥の建物では教会音楽科の面接試験も行われています。
朝から強い日差しが照り付ける猛暑日でしたが、広いロビーと静粛な雰囲気の聖堂をお借りしての防災訓練に、強烈な暑さにかかわらず次々と会員が参加してきました。要援護者登録をされている高齢者、足の不自由な方は災害時支援隊員が車いすでお連れしたり、ライフパートナーこぶしからも苅部施設長を先頭に利用者の皆さんも参加されました。氷川台自治会の地域避難所【ライフパートナーこぶし・聖グレゴリオの家】は全てバリアフリー化されているので、車いすで避難しても直接会場に入れます。
災害時支援隊員が車椅子でお連れしました。
聖堂内へも車椅子のまま入れます。
大きなパイプオルガンのある広い聖堂は参加会員で見る見るうちに埋まってきました。開始時刻になっても参加登録所に行列が出来ているために10分遅らせて開始しました。
厳粛な雰囲気の聖堂内は会員で一杯になりました。
開会挨拶で殿田会長は次のように会員に訴えました。
本日の防災訓練は“従来のような訓練の繰り返し”ではなく、氷川台自治会会員が災害から「支え合い・助け合い」を基本にし“命”を守るための実践訓練の入口と位置付ける。政府の地震調査委員会は6月10日、今後30年以内に震度6弱の揺れに見舞われる確率を示した「全国地震動予測地図」を公表しました。東京の確率も47%と高くなっています。熊本の確率は7.6%にも拘らず長期間の揺れによる大きな被害が出て今なお多くの方々が避難生活を余儀なくされています。
3日(日)に東久留米市男女平等推進センター(愛称:フィフティ・フィフティ、市民部生活文化課男女共同参画係)企画の特別講演を聴きに行きました。講師は元熊本県知事(2期2000~2008年)の潮谷義子先生で、実際に熊本地震を経験し避難生活を余儀なくされた潮谷先生が、元県知事として見えた課題、女性避難者の立場から見えた課題、社会福祉事業に携わる立場から見えた課題等を大所高所から話されました。
潮谷先生の講演でも、地域住民が共通認識をもって“地域づくり、まちづくり”に励み、地域コミュニティを構築することが“災害に強いまち”になる近道と。避難所は地域社会が凝縮した環境が形成されるべきで、顔も知らない人たちが大勢押し寄せた時の問題点や要援護者の居場所確保の問題等を懸念されると共に地域住民の「支え合い・助け合い」による在宅避難の重要性を語られました。
現在、氷川台自治会は「地域コミュニティの構築」が出来ている地域と言っても過言ではないと思います。昨年も1都4県6市から氷川台自治会の活動を視察・研修に見えました。各自治体の方々が氷川台の中を歩いて言われるのが、まちが綺麗だ、皆さんの顔が生き生きしている、会えば皆さん挨拶をされる…等々でまさに「地域コミュニティ」です。
市が指定する避難所は支援学校になっており、東日本大震災を受けて、国の指導で平成24年に「東久留米市災害時要援護者避難支援計画」が策定されているようですが、役人の悪い癖で計画を作っても展開の方法を知らず、マニュアルの展開がなされないままの「公助」に頼るわけにはいきません。氷川台自治会は、外部資源(ライフパートナーこぶし、聖グレゴリオの家、グループホーム東京コロニー)と協力して様々な活動を行いながら在宅避難生活を送れる条件を整備しています。
今日は氷川台自治会の防災訓練に、東久留米消防署から江原署長以下10名の署員の皆様に指導応援に来ていただきました。社会福祉協議会からも事務局長以下3名(地域福祉コーディネーター鈴木さんを含む)の方が氷川台自治会の「地域コミュニティ醸成」の視察に見えております。
これから東京防災の解説をして頂きますが、聞いただけでは防災の備えは完璧ではありません。今日習ったことを実践してこそ防災です。自分の身体は自分で守るのが基本です!地震に襲われてからでは間に合いません‼今から力を合わせて取り組み始めましょう。
と力強く語りました。

自治会の取組み方針と会員の自覚を強く求める会長
引き続き、東久留米消防署 江原署長が挨拶に立たれて、
氷川台自治会の活動は他の団体の模範になっている。また、2014年11月22日夜に発生した長野北部地震(震度6弱)で、住宅54棟が全壊・半壊する中で死者が0だった村を“白馬村の奇跡”と語り継がれています。これは地域の繋がりが出来ていたからこそ起きたことで、いかに地域住民の「支え合い・助け合い」が大切かを物語っています。この氷川台自治会には「地域の繋がり」が出来ていると思う。
と暖かい励ましの言葉を頂戴しました。
東久留米消防署 江原署長
東久留米消防署新川出張所 古舘出張所長からパワーポイントやDVDを使って地震災害の怖さや地震対策のポイントを分かり易く解説して頂きました。先の江原署長の挨拶の中でも触れられた「地域の繋がり」の重要性を「白馬の奇跡=氷川台の活動」とパワーポイントにして評価して頂きました。
古舘 新川出張所長の解説に聴き入る会員
白馬の奇跡=氷川台の活動
引き続き聖堂内で全員がAED心肺蘇生法の変更点の説明と使用方法の説明をうけた後、2班に分かれて聖堂とロビーを使って同時進行の形で行いました。
全員が聖堂でAED心肺蘇生法の解説を受ける
ロビーでAED心肺蘇生訓練
聖堂で三角巾応急手当の訓練
今回、春の防災訓練に140名の参加があったことには、自治会スタッフも驚いています。秋の要援護者支援避難訓練(第1回~第3回)は250名前後の参加があります。春の防災訓練は毎年40~50名程度、昨年は起震車を呼びましたので90名強の参加がありましたが、今年は目玉商品が無い中で参加者急増でした。これも自治会活動の地道な継続と会員同士の「絆」が深まったものと推測します。黙っていても車椅子を持ち出して足の不自由な会員を会場まで連れて来たり、高齢者同士が誘いあって参加したりの行動は氷川台自治会の現在を象徴しています。
今まで、春の防災訓練には会員以外の方が見学に見えたことはありませんでしたが、今年は日曜日にも拘らず社会福祉協議会から小林事務局長他3名や東久留米消防署 江原署長も忙しい中顔を出して下さいました。また、防災まちづくりの会代表も顔を見せて頂いたのにはびっくりしました。小生が地域防災に目を向けるきっかけになったのは、平成22年の「防災まちづくり学校」へ入学して地域防災の重要性を学んだからです。数年前から市議会開催時に議場に足を運び、議員さんと行政の避難所運営について熱心な質疑応答を何回も傍聴させて頂きましたが、避難所単位の防災訓練や運営に目を向けた質疑応答が主流のように感じました。防災対策の基本を「自助・互助・共助」と位置付ければ、まとまり易い地域単位で進める小規模防災活動にもっと目を向けるべきと思います。地域の防災活動を応援して下さる消防署、社会福祉協議会、防災まちづくりの会の皆様は我々にとって非常にあり難く勇気づけられます。しかし、地域住民の安心・安全確保のため先頭に立って指導すべき防災防犯課の「姿、形、匂い」もないのは異常な事態と考えざるを得ません。市民の安心・安全の拠り所である防災防犯課の組織が硬直化しているのではと危惧します。現場を預かり指導する立場の人間は、机上で考えるのでなく、現場に足を運び、地域の人と共に汗をかき、地域のニーズを把握して初めて机上で学んだことが生きてくると教わってきました。情報が入らないから足を運ばないのであれば、情報が集まるような組織にしなければ組織の進歩はないものと推測します。市民の安心・安全の拠り所である環境安全部防災防犯課の一層の活躍を期待します。 (殿田会長・談)
氷川台自治会