![]() 大仁農場の景観 |
![]() 4月は芝桜できれいに咲いていました |
来訪者の皆様へ
東久留米市内では、夏野菜の収穫の時期になりました。
キュウリ、ナス、トマトなどの花が咲き、その後実が大きくなり、6月中旬になると収穫の時期になります。
野島農園は門前自治会より委託された、子供達の体験学習のための野菜などの育成管理を行なっています。
未来ある子供達の安心・安全を守るために、自然農法にて野菜の育成管理を実施しています。
その為に、MOA自然農法大仁農場へ研修会などに参加してしています。
今回、野菜の育成管理で一番苦労する病害虫の対策について学んできた概要を報告致します。
日時:平成25年4月16日~17日
会場:大仁農場
研修会:「病害虫の対策」
講師:MOA自然農法文化事業団 伊藤進氏
病害虫を減らすポイント
主因(病原菌、害虫)
素因(作物の素質、病気に対する抵抗性)
誘因(土壌環境、栽培環境)
病害虫に向き合うポイント
- 土の力を生かす 土壌に投入してきた物の影響が大きい
- 畑の生態系を安定させる 共存共栄の世界が基本
- 人、土、作物の関係をよくする
- 土や作物は人間の支配下にある
病害虫を減らす考え方
①自家採種 無肥料、不耕起、
草生栽培
②健苗
③品種特性
④健康な葉づくり・・・光合成能力を高める
葉の役割
葉とエネルギーの流れ
根や成人葉から子供葉や成長点、果実に流れる
アンモニア同化作用
(ブドウ糖が分解されてできた有機物と土中のアンモニアが反応して、アミノ酸ができる。複数のアミノ酸が結合することでタンパク質が生成される。)
硝酸同化作用
(土中の硝酸を、光合成によってできたブドウ糖の貯蔵養分を使用して、
硝酸→亜硝酸→次亜硝酸→アンモニアにする。
その後、アンモニアとブドウ糖を分解してできた有機物が反応して、アミノ酸ができる。
複数のアミノ酸が結合することでタンパク質が生成される。)
水分の安定した土壌
- 団粒構造、ボロボロの土
水分の不安定な土壌
- 耕盤 水が動かない。毛細管現象と排水に障害。耕盤の上に有害物が蓄積
- ハウス土壌 水が下から上に動く→窒素過剰、塩類集積
- ビニールマルチの畝→ドライスポット
適温、適日照
・作物に適した、気温、地温 地温は実際に計ることが大切
・作物に適した日照
(不足の場合)
南北畝、高畝の南側斜面で栽培。ビニールマルチやビニールトンネル、不織布などで保温
(過剰の場合)
東西畝、作物や緑肥の日陰で栽培。黒色青色などのネットで遮光
畑の生態系を安定させる
- 地中→土壌生物の多様性
作物や草の根を2~3ヶ月ぐらい残す - 地上部→虫やカエルなどの多様性
点滴、害虫、ただの虫の世界を安定させる
花栽培、(防風)緑肥栽培、バンカープランツ、草生栽培などを活用
人・土・作物の関係をよくする
- 耕作者の性格が畑に反映する
- 愛情をかけると作物の生長がよくなる
- 家庭の和合も大切
病害虫で困ったら・・・相手を知ること(観察と診断)
- 病気・害虫の生態を観察
- 畑の来歴を確認
- 病気・害虫の特徴を知り、改善案を立てる
病害虫を減らす方法
(効果は緩やかだが安定している)
・低投入・無肥料栽培、作物を健康に育てる
・適地、適期、適作
・混作、混植
・土着天敵の定着
(効果の長持ちが期待できる)
・ネット、不織布の被覆、黄色蛍光灯、粘着板、溝の設置、捕殺
(効果は高いが再発する)
・抵抗性品種や抵抗性台木、対抗植物
・太陽熱消毒
・天敵と害虫を間違えないように
・窒素過剰になると天敵の活動が弱る
生命力の高い作物は害虫に負けない
- キャベツは、コナガの幼虫に食害されると、コナガの天敵の寄生蜂に信号を送って守ってもらう
- サトイモの連作ほ場に有害センチュウがいるのに、サトイモの根が侵されていない
病害虫の予防の例
(1)アブラムシ
(2)アオムシ
- 窒素が多いと発生も多い。施用量を減らす、または無肥料栽培
- キャベツの周年栽培で天敵のアオムシコマユバチが活躍
- セグロアシナガバチなどは幼虫を肉団子にする
- 幼虫が小さいときはアリも天敵
- ネットや不織布も効果あり
- 緊急対策として、アオムシが小さい幼虫の時に、トウガラシエキスの希釈散布も有効
(トウガラシエキス・・・焼酎一升とトウガラシ(たかのつめ)半升を2週間漬け込む。
使用するときは水で500倍に希釈する。例:水10Lに対し、20mlのトウガラシエキス)
トマトの疫病
- トマトの疫病は、窒素が多いと発生しやすい
・無肥料栽培、または低投入
・2~3本仕立て - 多湿を避ける
・排水をよくする
・雨よけ栽培 - 感染を避ける
・手やハサミからの感染をさける
・ジャガイモを近くで栽培しない - ・抵抗性品種の活用 (例)メニーナ
![]() 大仁農場ほ場 |
![]() 研修の様子 |
![]() 大仁農場研修センター 料理長謝名元氏の自然食品の晩餐会食 |
今回、研修会に参加した大仁農場について紹介致します。
1982年12月開設し、自然農法の研究普及農場、実証展示農場としての充実を図り、MOA自然農法文化事業団が主体となって、農林水産省の補助事業(有機農業に関する基礎データ作成事業)の協力をはじめ、行政などと連携した持続可能な有機農業、自然農法事業、安心・安全で健康な食の生産、または食育活動を推進しています。
今後、食農業事業の推進、充実はもとより、心と体の病など、社会に蔓延する様々な問題の解決、さらには厚生労働省が提唱する健康日本21の運動、世界保健機関(WHO)の健康都市づくりに向けた事業に協力推進して行きたいと思っているようです。
野島農園はMOA認定ほ場として、今後共体験農園として、自らの野菜作りの体験を通して、人間力(病気を予防し元気に明るく、楽しく年をとること)を向上して頂きたいと思っています。
新しいお仲間をお待ちしています!
(野島農園365元気塾)
文責:
門前自治会会長 野島貞夫
TEL:090-3224-0278
FAX:042-476-2555
mail:nojima.sadao@jcom.home.ne.jp
※写真掲載了承済
※MOA健康生活(自然農法)ネットワーク監修