臨床美術体験講座

今回の臨床美術体験講座は、クリスマスやお正月のお祝気分を盛り上げる、小枝と
羊毛を使ったあたたかいリース作りです。

参加の皆さんは小枝のリースで何を表現したのでしょうか?。

前回の臨床美術「風の中のコラージュ」では、空間に空気の流れをイメージする立体的な作品作りでした。今回のテーマは「小枝のリース作り」です。
リースと聞くと比較的身近に感じられますが、小枝を使うリース作りは、皆さん初めてです。そして、臨床美術での「小枝のリース作り」とは、どんなプロセスで進められたのでしょうか。

🔶アプローチ
皆さん、小枝で作るリースは初めての体験、先ずは、クリスマスリースやお正月のお飾りなどの紹介、そして、小枝で作ったリースの作品例が紹介され、作品のイメージをつかみました。
次に、リース作りに使う小枝とカラフルな羊毛が紹介され、皆さんそれらを手に取って確認し、作品作りが始まりました。
🔶制作開始
よく見かけるリースの基本形は〇多い様に思いますが、基本形が示されていれば比較的容易に形を整えられます。しかし、今回、作品例は示されましたが、使用する小枝は、大きさや長さがみな違い、作品例と同じ形に作成することは出来ません。
沢山ある小枝の中から一つの小枝を手に、縦、横、斜めにして形を確認、それを繰り返して、自分の「小枝のリース」を作るのに必要と思われる小枝を選び出しました。

 

席に戻り、選んだ小枝を組合せ、そして、考えては小枝を取りかえ、また組み合わせる、なかなか決まらないリースの形でしたが、こうした作業を繰り返すうちに、徐々に自分の「小枝のリース」が形作られていきました。

何もないところから、考えに考え、具体的な形にしていくこの作業、皆さんの集中している様子が伝わり、この時間がすごく大切な様に思いました。
次に進みます。

組み合わせた小枝にどんな色の羊毛を、どんな風にまとわせるのかを決めていきます。
講師から羊毛のまとわせ方の説明はありましたが、羊毛の色、小枝にどうまとわせるかは自分が決めなくてはなりません。
様々な色の羊毛の前で色を決めかね、迷いに迷う人。
机に戻ってからも試行錯誤が続きました。

羊毛の色の組合せと、それを小枝にどうまとわせるかが決まると、集中して作業に取り組んでいる姿が印象的でした。ここまで作業が進むと、自分の「小枝のリース」の仕上がりや何を表現したいのか、そのイメージが出来上がっていたのではないかと思います。
さて、その仕上がりは?

🔶鑑賞会
いつもの様に、皆さんの作品を前に、講師が感じた作品の印象を言葉にして作者に語りかけます。作者は、どんな作品に仕上げたのか、何を表現したかを話しました。
「北欧の森を思い浮かべ、・・」「春、そんな暖かさを感じることができれば。」「梅、花をイメージして、」など、作者の思いが参加した皆さんに伝わりました。

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🔶講座を終わって
美術を苦手とする人でも、誰もが楽しみながら作成に取り組める様、プログラムを進めていくのが臨床美術士。ある時はテーマの考え方や作成の手順を伝え、ある時は作成に集中させて作者それぞれが表現を引き出せる様に導き、そして、最後の鑑賞会へとつなげます。こうしたプロセスによって、作者の心には、自然と作品への思いを人に伝えようとする気持ちが生まれている様に感じました。皆さん、満足のいく作品が出来たものと思います。

参加して頂きました皆さん、ありがとうございました。

◇最後に、皆さんの作品を紹介します。
活動紹介 : くるねっと