臨床美術 体験講座

 

 

 

 臨床美術とは、与えられたテーマに基づく作者のイメージを色彩と造形で表現する創作活動です。今回のテーマは「風の流れ」。
風の流れてゆくさまをイメージして、色を塗り、形に切って、半立体のアート作品に仕上げます。そして、最後に制作した作品を、お茶を飲みながら鑑賞して交流を図ります。

日時:令和2年8月8日(土曜日)
会場:まろにえホール 学習室4
主催:くるねっと
講師:臨床美術士 天本啓子(くるねっと会員)

 くるねっとの臨床美術体験講座は6回目、一般の方、友の会の方を対象に行う講座は3回目、毎回、違うテーマでアート作品制作を体験してきました。前回のゴーヤの味覚、風鈴の音色や音の伝わりを色や形で表現する講座では、難しさを感じましたが、講師の話を聞きながら進めることで、参加の皆さん、自分のイメージを伝える作品に仕上げることが出来ました。さて、今回の「風の流れのコラージュ」は、どんな講座だったのでしょうか。
 参加者は、くるねっと友の会から3名、くるねっと会員が3名、合計6名です。
臨床美術を体験したことがある方、初めての方、不得意な美術へ挑戦する良い機会、と参加した方など、様々な思いで参加して頂きました。

いよいよ開講です。
🔶制作へのアプローチ
先ず、今回のテーマ「風の流れのコラー
ジュ」について講師から説明がありました。
◇コラージュとは、切ったり、貼ったりを意味する言葉。ここでは、素材を切り取り、貼り付けて立体的に表現するアート技法のこと。
◇風の流れとは、空気の流れ。その空気を目で見ることは出来ませんが、私達の生活の中にそれらを感じさせる場面は沢山あると、写真を見ながら講師の説明を聞きました。そして、確かに風には、柔らかさ、爽やかさ、心地よさ、などなど、様々な感じ方がある事にも気づきました。

🔶制作開始
手順は、用意された用紙に、今までに自分が感じたこ
とのある「風の流れ」のイメージをオイルパステルを使い、色や線、線の太さ、形で表現します。爽やかな風、涼しい風、冷たい風、それらを色や線、形に変えて用紙の上に描きます。

 

風のイメージを描き終わると、それらを切り取ります。次に、切り取った風の流れを平面ではなく立体的な風の流れを作り出す様、台紙の上に貼り付けます。波打つ風の様に、絡み合う風の様に、空気の流れを表現します。

さあ、自分がイメージした通りの風の流れが表現出来たでしょうか。台紙に貼り終わったら、最後に自分のサインを書き入れて、見えない風の流れを色彩と形で表現した創造性あるアート作品の完成です。

🔶鑑賞会
ここでは、講師が一人一人の作品を手に、講師が感じた作品のイメージを言葉にして作者に語りかけます。
作者が、どんな風を感じてそれを表現したのか、作品への思いを語りました。
「湧水の水面を渡る清らかな風を感じて。」「台風の風に強烈な印象を持った。」「一面の緑の上を吹く風を表現した。」などなど。

作者がどんな風を表現しようとしたのか、作品を見ながら話を聞くと、皆、感じたことを素直に色や形に表現している様に思いました。

皆さんの作品を紹介します。

鑑賞会を終わると、参加した皆さんは、自分のイメージを表現した作品に仕上げられたことに、達成感や満足感を感じたのではないかと思います。

参加して頂きました皆様、ありがとうございました。

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◇今回の臨床美術体験講座は、新型コロナウィルス感染拡大を防ぐため、参加者にマスクの着用をお願いし、会場の窓は開放しての換気対策を行い、定員を半数以下として一人一人の間隔を保つため机1台に1名としました。従って、お隣との会話を楽しみながらの制作は出来なくなりましたが、with コロナ時代の新しい講座の形として実施しました。今後の活動の参考になる講座であったのではないかと思います。

◇臨床美術とは、作者のイメージを色彩と造形で表現する創作活動で、制作へのアプローチから、制作、そして、最後の鑑賞会までの一連のアート制作プログラムです。
参加者が楽しみながら制作することで脳を活性化させ、認知症予防やストレス解消などへの効果、また、子どもの感性教育に効果があると期待されています。

活動紹介 : くるねっと