臨床美術 脳が目覚める! 感じて描くアート制作 パート3

平成30530日(水曜日)
くるねっとのメンバーを対象に3回目の臨床美術体験講座です。過去2回の講座を経験して「臨床美術とは」、参加者それぞれの自己表現であり、そして、誰でもが参加できるアートの世界と感じてきました。
さて、今回は・・・講師からの説明を聞きます。

臨床美術士の天本さんから、抽象表現の創始者「カンディンスキー」が紹介され、作品を見て抽象画の予備知識を得てから制作を始めました。
今回の臨床美術体験、具体的な形あるものを描くのではなく、イメージづくりから色の使い方まで、いろいろ考えながら描く抽象画となりました。

講師が用意した今日の素材は、白いボードとひも。ボードの大きさは220㎜×150㎜程。白いボードの上にひもを自由な形に置き、その上からガーゼを置きます。ボードには粘着性があるので、ひもとガーゼはボードに固定されます。
どういった形にひもを置くかは、自分の創造の世界です。

次に
ひもに囲まれた中をパステルで塗っていきます。が、何色を使う?
    創造性を働かせて・・・。

筆者はなかなか色を決められない。
しばらくの間、ボードとパステルとを並べてにらめっこが続きます。

形や線、色を自分で考え決めてゆく作画の進め方は、形や色のある物を写実的に描くのとは全く違う、自分のイメージづくりと創造の世界、自分にまかされた制作です。

宇宙や草原とかをイメージすると何かが見えてくる・・・これって正解?
・・筆者が悩んでいる間にも参加者の皆、すでに色を決め制作が進んでいます。

グラデーションをかけたり、模様を入れたり、色を使い分けている。
隣合わせる色の組み合わせ、黒の使い方、皆、素晴らしいですね。

作品の発表です。
最初は皆同じ白いボードと同じ長さのひもですが、それぞれが違った個性ある作品に仕上がりました。

天本さんからのコメントは、
「抽象画の良いところは、作品は全て作者のもの、どう表現してもみな正解。今回も、全く違う個性的な6作品が生まれました。」

全員の作品を黒板へ張り出し、講師の天本さんが参加者との会話を進めます。
「この作品、こんなイメージじゃないかな」「いや、こんなイメージで」
「色がいいね。」「色の使い方が最高」
などなど、作品に皆が様々な意見を。
会話が生まれ時間が足りなくなるほど。
そんな中、自分の作品への満足感みたいものが感じられてくるのは不思議でした。

◆3回の臨床美術体験
参加者全員が初めての体験でした。自由な発想からの作品のイメージづくり、全体のまとめ方や色の使い方を、考え、考えて、自分自身が決めて自分のイメージに近づける、そして、参加者全員の作品の発表と作品を前にしてのコミュニケーションまで、臨床美術の一連のプロセスが見えてきました。

◆一般の方々へ臨床美術を紹介
「臨床美術」あまり聞くことのない言葉と思います。私たち(くるねっとのメンバー)もそうでした。3回の体験講座を通して、臨床美術とは、誰でもが参加することが出来るアートの世界、くるねっとでは、多くの人に臨床美術を体験して頂き、知って頂くことは意味のあること、と考えています。そこで、皆様に臨床美術を体験して頂く講座を、今年の年末に実施することと致しました。講座の詳細はチラシなどでお知らせしますので、興味のある方、ぜひ参加し、体験して頂きたいと考えています。

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活動紹介 : くるねっと