臨床美術 脳が目覚める! 感じて 描くアート制作・パート2

 

 平成30年2月28日(水曜日)
くるねっとのメンバーを対象に2回目の臨床美術
体験講座を実施しました。
前回とは全く違う内容に少し戸惑いも。 結果は。

 

今回も臨床美術士の天本さんが講師を務め
ます。
前回はリンゴをモチーフに臨床美術独特の
描き方を体験しました。今回は、具体的に
形あるものを描くこととは全く異なり、絵
を描くための黒の描画紙からのスタートで
す。今回の講座、「創造性」が強く求めら
れる、そんな予感がします。

体験講座の開始です。

制作の前に画像資料を見て完成作品のイメージ作りです。アラビア風のモザイクやステンドグラス模様を見て想像を膨らませ制作に取りかかります。

最初に、黒い光沢のある厚紙(描画紙)の上に水で溶いた金色のえのぐを何か所かに垂らし、厚紙を傾けるとえのぐは自然に低い方へ流れていきます。傾ける方向を変えるとえのぐはその方向へ流れを変え、線として残ります。

 

    
自然の法則に従って幾筋もの線が入交じり、参加者全員、全く違った複雑な模様が出来上がりました。

そして、線と線で囲まれた部分に色を塗っていきます。
  そう、ステンドグラスやモザイクのイメージ。
    色を使い分けて塗ったり、模様を描いたり、・・・
      しかし、最初は何色をどこに塗ったらいいのか??? 全く解らず。

  思いつくままに塗り始める人、一生懸命に考え、考えて・・なかなか決まらない人。

黒がベースにあるので難しい、色が決まらない。
 う~~ん・・これが創造性なのか? などと思い(悩み)つつ。

しばらくすると全員が意外とスムースに色を乗せ始めます。具体的な物を描くのとは違い、色の使い方に個人差があり、より個性が出る様に思います。

今回も、絵が「上手」「下手」は関係なく、個性、創造性の表現なのかも。
そして、終了してみれば、普段とは脳の使う部分が違っていた様な、そんな感じが残りました。

参加者全員の作品です。



今回は時間が足りず、鑑賞会、そして、作者の思いを伝える時間が取れなかったのは残念です。でも、参加者は作品を見て、初めての体験に、満足した様子でした。

講師の天本さんの感想は、
「今回は豪華な金ジェッソ(アクリル系のえのぐ)を使い、黒、金、色彩が響き合うデザイン的な作品への挑戦でした。皆様、小さな画面にぐ~っと入り込んで静寂の時間を楽しまれたことと思います。」

天本さん、お疲れ様でした。
最後に、臨床美術について再度確認しておきましょう。
臨床美術とは、脳科学に基づいたアートカリキュラムそって絵画や立体造形などを創造的に行う活動です。単に見て描くのではなく、触ったり、匂いを嗅いたり、味わったり、音楽を聴いたりしながら手を動かすことで全身の感覚を刺激し脳の活性化を図ります。結果ではなく、制作のプロセスを重視し、自己表現を楽しむアートの世界です。

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くるねっとでは、機会があれば今回の様な会員向けの体験講座を開催し、その体験を生かして次の活動へつなげたいと考えています。

活動紹介:くるねっと