今年度の就学相談に向けて

今年度、東久留米市でお子様が就学相談を受けられる予定の保護者さんへ

就学相談は、お子さんをあらゆる側面からみて“どの進路先が、本来持っているチカラを最大限に伸ばし育てていくことができるか”を関わる大人が連携して考えていくための場所です。

東久留米市教育委員会指導室特別支援教育係、医師、スクールソーシャルワーカー、所属先の園長や学校長をはじめとした先生方、進学先の学校長をはじめとした先生方・・・・など多数の方が関わり、お子様のこれからを考えていきます。そして、その先生方と同じ立場に“保護者”も入ります。

保護者は、子どもを看護するだけの立場ではありません。私たちは、子どもをもった瞬間から、色々な方の助けを得ながら保護者の“大切な仕事”を行っています。そして、私たちの仕事の終わりは、子どもたちが成人したところで終了ではありません。お子さんが独立し、一人の大人として歩んでいく姿を見守っている中にも“保護者としての喜びや心配・・・”などの感情を持ちながら寄り添っい、幸せを願いながら続いていきます・・・理想なのは、自分の人生が終わるまで保護者でいられることです。
私たち保護者は、その時々の浮き沈みはありながらも、“保護者業”というものをライフワークとしてつないでいきます。
子ども時代の我が子にとっては、誰よりも一番近くで、誰よりも将来の幸せを願い、心配し過ごしている私たちだからこそ、”保護者”という役割に自信を持ち、先生方と対等に”子どもの幸せ”を考えていくべきだと考えています。

ミスなく行うことや、完璧に子育てをすることが求められているならば、それは“誰かの仕事”を保護者に押し付けられているのかもしれません。「失敗してしまった」、「ちゃんと子育てできていない」なんて思わないでください。
私たちは、子どもたちと一緒に成長していくものです。

母親よりも先に、一人の人としての歩みも大切です。

就学相談は、私たち保護者が私たちを助けてくれるコミュニティを探す場でもあります。
誰を頼りに子育てをしていくのか、自由に考えていい場所です。

就学相談では、お子さんに関する“大変だと感じているところ”、“発達が不安なところ”、“この先の見通しが持てない辛い部分”など、「苦」に関するところにフォーカスを持っていくことが多いです。それが数か月継続します。予想以上に嫌な経験として記憶されることも出てくるかもしれません。
この感情は、同じ思いを経験した、同じ状況にあった保護者の方にしか理解できないかもしれません。その感情を「知りたい!」と努力いただいている先生も沢山いらっしゃいますが、100パーセントは分からないかもしれません。

分からないから知りたいと思い、知ることで私たちへの理解が広まっていきます。どうか、この先に出会う方を、あなたの子育てに巻き込んでください。

そして、周りに同じ経験を“先に”されている方、その様な方に手を差し伸べていて一緒に考えて少しだけ寄りかかれる方とつながれるとよいと思います。

この選択をしたとき・・・何が起こるのだろう?
こんなこと話してしまったけれど・・・悪く取られないだろうか?
決定された進路に従わないとどんなことがあるのだろうか?

みんな、どこかのタイミングで同じような気持ちを抱えてきました。

もしも、周りにさがせなかったら、どうぞ私たちにそんな不安や辛さをシェアしてください。
一緒に考えて、そしてそのつらい期間をその先につなげるお手伝いをしたいと思っています。

連日、学校の中での出来事の相談をいただきます。
話し合いの中で、まずは何をすべきか?そのあとどうしていこうか?・・・一つ一つを形に変えるお手伝いをしています。

入学後、進級後に環境整備を図れていくことは、就学相談からはじまった学校との会議の結果が大きいと考えています。

就学相談を就学相談で終わらせないことは重要です。

そして、就学相談も保護者やお子さんに合わせてカスタマイズできます。

就学相談の申込用紙に
「保護者の希望する進学先」という欄があり、特別支援学校・特別支援学級・通級/特別支援教室・通常の学級 と〇を付けるようになっています。
それが分からないから就学相談を受けるわけですから、わからない状態でとりあえずの選択はしなくて大丈夫です。わからなければ○をしない、または全部に〇をしてしまってください。
そして「あらゆる検査の結果や見解を報告いただき、その時点で希望を伝えます!」と伝えてください。

医師診断・・・どうぞ、お子さんの主治医がいらっしゃれば、主治医に診断してもらってください。

最終的に出される就学先決定、どうか納得のいく進学先であっても「その判断に至った根拠」を具体的に示してもらってください。それが進学後に配慮がすすまない際に活用できることがあります。

通常の学級で判定が出たとしても、進学先の学校との面談機会を必ず就学相談係に調整してもらってください。

「個人的に学校へ連絡してみてください」では、そのやり取りは“就学先決定・進学先決定”を伝えた場面で、相談係のお役御免になります。それでは、進路先の学校と「入学前の合意形成会議」が持てにくくなります。

就学相談における就学先・進学先の決定は「お子さんの状態に応じた就学先の学校での合意形成が行われることを前提とした決定」です。そのためには、“”“合意形成会議”“”が必要です。

東久留米市では、診断名を持つお子さん(診断名を持たないが障害を疑う状態のお子さん)について、教育の場面で合理的配慮が得られない、または理解が得られないなどの問題が発生した際には、障害福祉課が窓口となり、教育部との話し合いに場合によっては同席していただけることを確認しています。

「読み書き障害のお子さんに対して、タブレットの使用やそれに代わる代替え案の提案が得られない」、「読み上げの配慮が得られない」・・・など、で・こぼに相談をいただくことの多いものについても、障害福祉課が窓口となり、配慮が得られるように働きかけてくれるという話をいただいています。

引き続き、私たちも相談いただいた場合には、冷静に対応させていただきますが、もう一つの窓口として利用されても良いと思います。

今年度も、就学相談に関する学習会などを行う予定で準備しております。
不安や疑問はお気軽にお尋ねください。
関係している各所に確認などをとりながら、正しい情報をお伝えできるように努めていきたいと思います。

お子様が就学を迎える保護者の方へ

就学を迎える保護者の方へ

いよいよ、お子様が学びの場へ入る時となりました。
就学の準備が終わっても、あれやこれやと心忙しく、慌ただしい日を過ごされていることと存じます。

で・こぼから毎年この時期に送る“入学後の情報”をお知らせしたいと思います。
すでに文具などについては、幾度か案内をさせていただいておりますので、その情報は過去の投稿を見ていただければと存じます。探せないなどがございましたら、遠慮なくで・こぼにお尋ねください(decobo2014@gmail.com)

<服装のこと>
入学式に向けて子どもたちは不慣れな服装を身に着け、保護者から離れた時間を過ごします。
どうぞ、当日着用する服装は、事前に着用するだけでなく、着用してトイレに行ってみるなど”学校ごっこ”として準備させてあげてください。どんなことが起きても、笑い飛ばす余裕をもって、最後に「楽しかったね!!」と楽しくないことが起きても「これって楽しかったの???」と勘違いさせることも、当日の朝の準備の練習です。
そして、皮膚に過敏のあるお子さんについては、襟元、袖など服の着用を嫌がる原因が出てきます。“きちんとした服装でないと・・・”という保護者の気持ちが痛いほどわかるのですが、どうか無理をさせないでください。作業療法士の先生などに助言をいただくのもありだと思います。

<入学式の会場見学>
入学式の会場は前日につくるわけでなく、卒業式からそのままで維持している学校も多いです。就学相談を受けていない!中断した!ということがあったとしても、後ろ向きにならなくて大丈夫です。「入学式の会場を見学したい」と事前に副校長先生宛に連絡し、叶えてもらってください。その際は、入学式会場の見学を行う理由を伝えるとスムーズです。「音の過敏があり、会場にか不安があります」、「新しい場所が苦手で、事前に歩く場所や全体の様子を知っておきたいです」などです。障害名などを伝えたりすることは求められません。不安に思うことを伝えれば大丈夫です。
会場見学に限らず、事前に保健室やトイレなどを見せていただくことも可能です。
知っておくことで不安が少なるお子さんも多いです。
ただ、それが当たり前のことではなく、それに付き添い時間を割いていただける先生への感謝も「嬉しいね」、「ありがとうって言おうね」と親子で話せたらよいと思います。
今後、学校生活の中では様々な立場の先生方に支えられていきます。感謝の気持ちを毎回伝えていくということも忘れないでおきたいことですね。
<入学式前夜>
ハンカチ、ティッシュ・・・持ち物の確認をもう一度しましょう。
持っているものリストを作って、探せなかったときに備えてもよいかもしれません。

保護者の準備が忙しくても、一緒に眠るまで付き添い安心した環境で眠れるとよいですね。

<入学式当日>
早めに起きて、時間に余裕をもって過ごせるとよいと思います。
何が起きても、決して叱らず、大人が慌てずに過ごせるとよいと思います。

入学式の入場では、アイウエオ順で男女が組み会場へ入ってくることが多いです。このタイミングでの撮影以外、学校内での撮影はできなくなりますので、すべてのお子さんの撮影をしておき、お友達のアルバムをつくられるとよいと思います。写真のデータ管理は厳重に行ってください。※1
教室に入ると、着席する席が決まっています。助けていただくことが想像できますので・・・隣の席の子、近くの席の子など、今後接する機会の多いお子さんを確認しておけると、何か起きた際に役立つと思います。
※1 写真がなぜ必要かというと、トラブルの多いお子さんがお友達の名前を憶えられていないことが多々あります。お友達の名前を覚えることで、お友達を呼ぶ際に体にタッチしたりせず、名前で呼び反応してもらい、トラブルが減るという姿が期待できます。
お子さんが帰宅して、○○君が教えてくれた~という話をした際には、アルバムを一緒に見て「このお友達?○○が得意なんだね!いいところアルバムに書いておこうね」と○○が得意とアルバムに書き加えるとお友達の良いところがお子さんの目に触れやすいです。絶対に、他のお子さんの悪口や苦手なことを書くことはしないでください。(悔しい思いを抱いた際に書かれていることを他のお子さんに話してしまう可能性があり、トラブルの原因になります。)

入学式当日は、お道具箱や教材などいろいろなものが配布されます。翌日の登校日にお子さんが持ってくるものもあります。
名前シールやサインペンを持参して、翌日持ってくるものなどはその場で記入し机に戻して帰ると、体の小さなお子様などは翌日の負担が少ないです。
翌日からは学校にさえ到着すれば、世話係の6年生が教室で朝の支度を手伝ってくれることが多いです。
お子さんの状況にもよりますが、「迷惑をかけるかも・・」と気になっても、できるかできないかを確認するチャンスかもしれません。我が家では「失敗してそこから学ぶチャンスを奪うから」と先回りすぎる手助けはしないようにしています。失敗から時間をかけてでも、一緒に一歩ずつ進んでいくことが後に大切になるので、見守りで見に行く際は、お子さんに悟られないなど保護者側の配慮も必要な場合があります。お子さんの姿に合わせ、各家庭で調整できるとよいと思います。

失敗は成功の元です。
不安感が強いお子さんには、不安のある取り組みを行わせない!ではなく、保護者の失敗経験を話したり、失敗してリカバリーする姿を見せたり、失敗しても一緒に考えるという安心できる素材を用意しながら、小さな一歩でも取り組めるとよいと思います。
小さな一歩とは、周囲の持つ小さな一歩のイメージではなく、本人の持つ小さな一歩のイメージです。周りに伝わらない小さな一歩もあります。考えるだけ、思うだけ・・・・これも小さな一歩です。どうぞ、温かく見守り、周りの助けを借りながら時間をかけてお子様のチカラを育めますように。