言葉のイメージ域の違い
人からの言葉に過剰に反応しているという印象をもたれるお子さんがいます。
果たして過剰な反応なのか?
一方で、人から投げかけられた言葉が伝わっていないという印象を持たれるお子さんもいます。
それだけ、同じ学年、同じ年齢でも、理解や想像域の差異があるということです。
学校の中では、悪口や暴言などは、チカラの暴力に比べて軽く扱われていることが多い様に感じています。
「ばか!」という一言でも、バカという言葉の想像域が広いお子さんからすると、打ちのめされた様なつらくて痛い気持ちになることをもっと知っていただきたいと思います。
また、特に言語優位のお子さんは、今までの経験から得てきた言葉のイメージの誤学習もあったりします。
言葉だけを取り上げれば、そんなに悪いイメージの言葉でなくても、そのお子さんにとっては地雷ワードであることも多々あります。
特に瞬発系のお子さんの場合は、自分が受けた言葉からの衝撃と同等の内容で、行動での反撃を行ってしまうことがあります。
それでも、叱られるのは自分だけ・・・それが重なった時に、自分が受けた言葉での暴力は「ごめん」がもらえず、自分だけが「ごめん」を強制されていると、誤学習の連鎖みたいなものが起きてしまいます。
また、自分の行動や振る舞いが、人からどの様に見られているか気がつけていない場合があります。
そのため、人から受けた言葉・・・例えば「ぐにゃぐにゃ人間!」だとすると、本人にはぐにゃぐにゃしている意識はないので、「いい加減なこと言いやがって!」・・・とますますややこしくなって行くようです。
発達障害イコール視覚優位?視覚情報を用意すれば理解が進むと思われてしまっている教室もあるようですが、インプットが言語優位のお子さんにとっては、その子の能力に応じた、言語での説明も同時に必要です。
視覚優位のお子さんについても、単純なイラストがよいのか?全体的が見えるイラストが良いのか?写真が良いのか?その視覚情報の調節も必要であることを覚えていただきたいと思います。
参考までに、我が子は視覚情報と音の組み合わせで記憶につながることが分かっています。
これに至った経緯は、英語塾の先生から、
「簡単な単語は記憶できていないのですが、スペルの長い単語はほぼ記憶ができています。なぜでしょう?」という質問があり、先生と一緒にそれぞれの単語に触れていた環境を再現した結果、簡単だと思う単語の時は、言葉を読み上げるだけにしていたことがわかり、一方スペルの長い単語は、先生が単語カードを提示しながら読み上げていたことが分かったのです。
簡単な単語もテキスト上には記載があったにもかかわらず、他のイラストなどが視野に入り、記憶を阻害していたということがわかりました。
こうした仮説を立てた後は、簡単な単語もカードを提示することで記憶に繋がったという・・・。
合理的な記憶は、そのお子さんのもつ能力を知ることから始まります。
お子さんに接する大人にも、一人一人違った感覚があります。
「一般的や普通は・・・」などはその人の周囲の一般的であり、その人個人の普通であるということを、忘れてはいけないと感じる習慣です。