【空き家・空き地対策】氷川台自治会で増加する空き家は地域の資源となりえるか!

 6月23日(土)日本経済新聞朝刊で“空き家「予備軍」東名阪330万戸”と大きく紙面を飾りました。総務省の住宅・土地統計調査(2013年)から65歳以上だけが住む戸建を抽出し、空き家予備軍とみなした数値だそうです。また、三大都市圏の予備軍を10万人以上の市区で見ると東久留米市がなんと驚くべき第5位(持ち家比率25.5%・持ち家7,546戸)にランクされています。


350世帯が暮らす氷川台自治会

 氷川台自治会では、平成23年から、“安心・安全で暮らしやすいまち「氷川台」、元気で明るい自治会をみんなでつくろう‼”とスローガンを掲げて地域の活性化に取り組みました。対策の一つが空き家を利用した“ふれあいの場”つくりでした。自治会内に放置してある空き家や空き地の所有者と交渉して、自治会が管理することを条件に無償で借り受け、会員が協力してササなどの雑草を取り除き、重機や小型耕運機を使って畑(氷川台農園)に変えて、住民が食べたい20種以上の野菜を育ててきました。会員有志がほぼ毎日、農地を見回り、育成や収穫に励み、道路に面した棚「道の駅ひかわだい」に置き、一袋100円で無人販売もしてきました。また、春には「ジャガイモ掘り大会」、秋には「サツマイモ掘り大会」などのイベントを行い、地域の子どもたちに「土にふれる楽しさ」を体験させたりしました。
空き家の庭や空き地を利用した農園は、高齢者から子どもまで幅広い層の「ふれあいの場」となってきました。氷川台農園や「道の駅ひかわだい」に集まる住民、芋ほりイベントに集まる親子の交流など、住民同士が顔を合わせる機会が増え、地域のコミュニティ構築に寄与してくれました

平成23年当時荒廃した空き家の庭を農園に活用

 平成23年から始めた「空き家空き地の利活用」は地域活性化に大きく寄与し、高齢化率も38%弱から33%台へ減少し地域コミュニティに溢れた地域に変わって来ました。「空き家・空き地」として地域活性化に貢献した場所は、宅地に変わり新たな住人を呼び込み地域に賑わいをもたらしています。とはいえ、高齢化率33%強の氷川台自治会には「空き家予備運」が東久留米市全体の数字よりハイレベルにあり、今後も増え続けるであろう「空き家」対策に取組むことが必要不可欠になっています。

平成23年依頼、地域コミュニティ形成の”場“として活性化に寄与した第1農園は、平成29年8月に6年間の役目を終え、4区画(約50坪/区画)に分割され宅地分譲地に変わりました。

 農園閉鎖(昨年8月)後、宅地分譲地(4区画)で売却された第1農園跡地は、地域の人たちと別れを惜しむかの様に「第8回夕涼み会」第2会場として地域に貢献をしてくれました。分譲地に住宅建設予定の購入者の方が、氷川台自治会「第8回夕涼み会」の開催計画を知り、住宅建設着工予定を1週間遅らせてまで使わせて下さいました。(感謝)

 宅地2区画分(約100坪)を使っての「流しそうめん」は過去にない規模だけに大勢の参加者がそうめんの味を楽しみました。同時に、7年間に渡り地域のコミュニティの場として貢献した第1農園跡地に別れを惜しみました。

 氷川台自治会の地域コミュニティの原点は「空き家の有効利用=氷川台農園」にあったと云っても過言ではありません。8月19日に開催した「第8回夕涼み会」会場として最後の地域貢献をしてくれました。550名を超える地域の人々が集まり、コミュニティを形成できたのは小山台遊園の隣に空き地があった賜物です。このように、地域の邪魔者だった「空き家・空き地」は農園として“コミュニティ形成の場“から”お祭りの舞台“として地域に大きく貢献しました。地域に住む住人が当事者意識を持って取り組んだから、地域の負動産が資産に変わった好事例と思います。

 「第8回夕涼み会」第2会場(第1農園跡地)は、お祭りが終わった翌日から仮囲いで閉鎖され、注文住宅建設が始まりました。

 冒頭紹介した日経新聞記事に、三大都市圏の「空き家予備軍」を10万人以上の市区で見ると東久留米市がなんと驚くべき第5位(持ち家比率25.5%・持ち家7,546戸)にランク。数字を押し上げる要因の一つに氷川台自治会の住人構成と戸建て住宅群があります。平成30年5月現在、氷川台自治会の高齢化率33%(東久留米市28%)から推測すると、空き家予備軍である高齢者世帯はまだまだ増え続けます。現在でも家主さんが亡くなったり介護施設に入居後も相続人が入居しないのが殆どで、古い家は買い手がつかないため、中古住宅の流通を促進させたり、地域に住む住人が協力して土地の流通が活発になる様な地域づくりが必須になって来ます。

ご夫婦とも「見守り」支援対象者でしたが、高齢と認知症のため施設に入居され、自宅は中古売却物件になりました。

 第2農園跡地は、2区画に分割されて現在宅地分譲中です。

 一人住まい高齢者の方が施設に入居され後7年間空き家になっていましたが、この都度、持ち家は解体され建売住宅の建設が始まりました。

 空き家になって一か月で解体され分譲地になりました。

 家主さんが亡くなり、中古住宅物件として1年経過後、買い手がつかず今月解体されました。

 1956年(昭和31年)に西武鉄道によって開発分譲された西武住宅(氷川台自治会)は、62年の歴史を刻み大きく変わろうとしています。高度成長期から続いた住宅の供給は、不動産に対する投資効果と資産価値の上昇を生み出し、日本の経済発展に貢献してきましたが、時代は変わり、少子高齢化と人口減少社会に向かい、生活スタイルの変化から核家族化が進み「空き家問題」が浮き彫りになって来ました。
氷川台自治会の住宅の変遷はエリア(範囲)が不変の中、2010年(327世帯)から2017年(349世帯)の7年間で22世帯が増加しました。内訳は、75世帯が新規入会(中古住宅購入・新築物件購入等)、53世帯が退会(死亡・施設入居退会売却、転居等)となっています。登記簿上の区画が一定の中で、空き家売却・解体・分割分譲が繰り返されて住宅戸数が増え続けています。現在も、中古物件売却中が1棟、宅地分譲中が4区画(6区画になるかも)、建設中の注文住宅が2棟、建売住宅建設中が1棟と不動産市場が活発に動いています。この様に、空き家として放置され負動産と化すのでなく資産として動く様になっています。
 今年度から、東久留米市空き家対策協議会が発足し、空き家予備軍対策や現存する空き家対策計画等が策定されると思いますが、まずは地域に住む人々が、空き家を「負の資源」と捉えないで、地域の課題解決の一つの手段として、多面的に活用が期待される「地域の資源」として捉え、行政に頼るだけでなく当事者意識を持ち協働の取り組みが必要と考えます。

                         氷川台自治会 殿田 俊三