「空き家の庭を地域の庭に」(柏市)パンフレットに氷川台自治会の事例が掲載されました!  2016年2月19日

   千葉県柏市では、市民の憩える緑豊かな空間を増やしていこうと、緑の取り組みを積極的に進められています。宅地化されずに残っている土地、荒れた植林地、使われなくなった畑など沢山あり、こうした空き地を市民と行政が協力して手を加え、住民が使える「地域の庭」にすることで、柏の緑を守っていこう、増やしていこうと「カシニワ制度」(かしわの庭・みんなの庭)をつくり、「地域の庭」つくりを支援されています。公園のような、みんなで楽しめる空間を、みんなで造って管理していくという取り組みです。

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 昨年1127日に柏市公園緑政課の皆さんが、氷川台自治会で行っている「空き家・空き地を利用した町づくり」の活動を視察・研修にみえました。今回、従来の「カシニワ制度」を利用した「空き地を地域の庭」にする支援に加え、新たに「空き家の庭を地域の庭に」とした取組みが加わりました。「カシニワ制度」では、こうした空き家の庭を活用した取り組みを1つのステップとして、魅力的な緑地の創出だけでなく、地域の安全性確保や空き家自体の利活用も目指して自治会や市民団体の皆さんと一緒に、豊かな地域づくりを進めるパンフレットを作成されました。

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【 パンフレット 】氷川台自治会の活動紹介

空き家の庭を“地域の庭”に ~カシニワのすすめ④

   ❷で「空き家問題、どうしたらいいの?

全国各地で空き家問題への様々な取り組みが行われています。東京都東久留米市では、自治会が地域内の空き家の庭を借り、農園として管理することで、周辺への悪影響を未然に防ぎ、住民同士の貴重な交流の機会も生み出しています。

管理に困っている所有者がひとりで抱え込むのではなく、地域住民と手を組み、互いに協力することで、地域に新たな魅力を生み出しています。 

  人口減少や高齢化の進展等により社会問題化してきた「空き家」は全国で約820万戸と住宅総数の13.5%を占めると云われています。東久留米市でも平成20年の統計では10.7%の数字が出ています。平成2611月に「空き家対策特別処置法」ができ、平成275月から施行され、空き家の適正管理が義務付けられました。法律が制定されたから「空き家」が減少するということでもないと思います。

 東久留米市でも「空き家対策」等が市議会で取り上げられるようになりましたが、基本的には地域の皆さんが「空き家」をどう考えられているかだと思います。どうして空き家になったのか? 空き家は持ち主が管理しているのか? 持ち主と連絡は取れるのか? 空き家が増えないようにするにはどうすれば良いのか? 空き家の利用価値はあるのかないのか? など、基本的な情報・状況を整理しないと対策も考えられないと思います。先ずは、「空き家・空き地」を地域の資源と捉えて利用価値の有無を考えてみてはどうでしょうか。

 行政に「空き家対策」を委ねて早急な対策を求めても限られた「人・時間・情報」の中での対応になり中々進みません。 氷川台自治会では、4年前から「空き家・空き地」問題に取組み、「空き家・空き地」を地域の資源としての活用を模索して来ました。持ち主を捜して連絡を取り、自治会農園として活用させて貰ったり、軒先を借りて青空野菜市を開催したり、自治会で草刈管理等を引き受けたりして放置された「空き家・空き地」を無くしています。また、「空き家・空き地」を利用した様々なイベントは地域の活性化・地域のコミュニテイを生み出し、地域の若返りが進んで来ました。空き家を発生させない地域づくり、“高齢者が安心・安全に住み続けられるまちづくり”にも努めています。

4読売新聞に掲載されました。

 5空き家の庭を農園に活用(1農園)

6空き地を利用した農園で芋ほり大会(3農園)

 昨年、氷川台自治会の活動を視察研修に見えた6(あきる野市・東村山市・市原市・日光市・鹿嶋市・柏市)の皆さんは一様に“空き家・空き地の有効活用によるまちづくり”に強い興味を示されました。視察・研修後も各市の担当者の皆さんと意見交換を続けています。また、市原市では広報いちはら(1115日号)で事例紹介、柏市ではパンフレッドになって事例紹介、東村山市では昨年3月に「自治会フォーラム」で事例紹介されたのに続き、3月13()には東村山市中央公民館で開催される「自治会フォーラムin東村山」で朗読劇になって紹介されるそうです。(他市の活発な自治会活動や活性化対策を参考にされるのもヒントになると思います。)

7広報「いちはら」で事例紹介

8昨年度の東村山市フォーラムで紹介されました

9今年度は朗読劇に昇格して紹介されます。

 東久留米市内の自治会や団体・個人、市議会議員の皆様からの問合せ等は一度もありませんが、「空き家対策」が市議会の一般質問に上がっているようですから、地域の課題として捉えられている皆さんも多いのではないかと思います。行政に委ねるのと並行して地域での有効活用を模索されてみたらどうでしょうか。(活動を通して感じたことです。)

                                                                       氷川台自治会 殿田 俊三