第11回 くるねっとシンポジウム

平成30年10月28日(日曜日)第11回くるねっとシンポジウム「地球にやってきた星・隕石」講演会を開催しました。

主催 くるねっと・東久留米市
共催 たま市民活動ネットワーク
   (小平市、東村山市、清瀬市、西東京市、東久留米市)
後援 多摩六都科学館

講演の約1カ月前、愛知県小牧市の民家に隕石(いんせき)が落下して話題になりました。第11回くるねっとシンポジウムは、その隕石がテーマです。
隕石は太陽系の化石とも言われ、太陽系誕生の謎を解き明かすことが出来ると言われています。宇宙の神秘や謎に迫れるのでしょうか。

会場には、小学生から80歳を超える人まで、幅広い年齢層の人達が共通の目的を持って集まりました。

 

 

 

東久留米市生活文化課
塚田様の司会で開演です。

 

 ◆講演を前に。 
左)くるねっとの石川代表の挨拶        右)東久留米市並木市長の挨拶
 

 

講師にお迎えした山田義弘氏。
・東京未来大学非常勤講師(天文学)
・大手前大学非常勤講師(宇宙科学)
・東京大学天文学教育研究センター顧問
・北海道大学宇宙観測基礎データセンター研究員
・北海道なよろ市立天文台名誉台長
 などを務める超多忙な天文の先生です。

山田先生は、世界各地をまわり収集した数多くの隕石を所有しています。今日は、所有する隕石のうち、2つの隕石をお持ち頂きました。(写真)
参加の皆様には、実際に隕石に触れて、持ち上げて頂き、そして、その隕石の重さを当てる「重さ当てクイズ」を行いました。

山田先生に持って来て頂いた2つの隕石。
アルゼンチン、チャコ州に落下した
「カンポ・デル・シエロ隕石」の一部だ
そうです。
・・・「早く持ち上げてみた~い。」

 

 

 ◆講演が始まります。 
◇先ずは、日本へ落下した隕石から。
最初の隕石は、先月、2018年9月26日に愛知県小牧市に落下した「小牧隕石」(登録申請中)について、国内52個目の隕石となるとのこと。
最古の隕石(確認出来るもの)は、861年に落下した「直方隕石」だそうです。
その他に、長良隕石、神岡隕石、広島隕石など、隕石の種類や特徴、落下の状況が紹介されました。

◇隕石はどこから来るのか?
隕石を調べることで、46億年前の太陽系の誕生、つまり地球誕生の謎をひも解くことが出来ると言われます。それは、隕石の故郷が太陽系の小惑星帯にあるから。
壮大な宇宙の時間の流れを感じ、思わず目の前の隕石に目が。

◇隕石の種類は。
およそ3種類。石質隕石、鉄質隕石、石鉄隕石に分類され、中でも鉄質隕石は見た目以上に重いそうです。そこで・・・
市長も山田先生の問いかけに、隕石初体験「重いですね」、予想以上の重さに驚いた様子でした。

◇世界の隕石。
世界には、重さが60トンや37トンなど、驚くほど大きく重い隕石が数多くあります。その代表的な隕石や隕石の落下によって出来た地上に残るクレーターなどが紹介されました。

◇山田先生の隕石探し。
ロシアの密林の中、オマーン砂漠の中での隕石探し、エピソードを交えてのお話は大変に興味深いものでした。
火星にも隕石の落下が確認されているとのことですが、山田先生、火星までは隕石探しに行けなかった様です。
誰にも気付かれないまま落下し、発見されない隕石も数多くあるとの話、もしかして、東久留米に落下している可能性も・・隕石を見分ける方法も紹介されました。

◇余談ですが。
隕石は誰のもの。
・・・隕石は落下した土地の持ち主に。
隕石につく価値(値)はどのくらい。
・・・種類や大きさによりかなりの幅があり、高いものでは億の単位とか。
最終的には、その多くが研究機関や博物館が所有することになり、宇宙の謎を解く研究に使われる様です。

 ◆講演を終わって。 
隕石の話となると、どうしても専門的になり、難しくなるのが普通です。先生のお話は、エピソードを交えながら分かりやすい解説で、参加の皆さん、普段あまり聞けない話に満足して頂いたものと思います。

 

 ◆隕石の重さ当て。 
写真(右)は皆さんに実際に持ち上げて頂いた隕石。
その重さは?
参加して頂いた皆さん全員、重さ当てクイズに挑戦して頂きました。
触って、持ち上げて、考えて?? 答えが出てこない。

 

 

 

 

 

持ち上げた人に答えは?と聞いてみると、「重かった」と一言。

 

 

全員が回答を出し終わった後、慎重に計量を行いました。
そして、その重さは、・・6.9㎏

 

    ◆質問タイム   
皆さんの回答を集計する間に質問をお受けしました。
・隕石のスピードはどのくらいですか?(小学生)
・地球に隕石が衝突して地球の地軸の傾きは変わらないのですか?(小学生)
・隕石と地球生命の起源との関係は?
その他、多くの質問の手が上がり、関心の高さがうかがえます。

かなり専門的な質問もありましたが、山田先生から分かりやすく回答して頂きました。

 ◆成績発表  
さて、隕石の重さ、皆さんの回答は。
一番近い回答は、6.8㎏、1名でした。
二番目の回答は、7.5㎏と6.3㎏で0.6㎏の差でした。

上位3名の方には山田先生から本物の隕石(少し小さ目ですが)手渡されました。その隕石の落下した場所なども記録されているので記念になると思います。

参加の皆さん全員が景品(天体観測ガイド、星座早見盤など)を受け取り、第11回
くるねっとシンポジウムを終了しました。

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幅広い年齢層の方々に参加して頂いた「地球にやってきた星・隕石」の講演会、無事に終了させることが出来ました。主催者も参加の皆さんと一緒に隕石のお話しと重さ当てクイズを楽しみました。大変貴重な時間を共有出来た様に思います。
今日の体験が参加した皆さんの記憶に残るものであれば幸いです。

参加をして頂いた皆様、ありがとうございました。

活動紹介:くるねっと